円形脱毛症の冷却療法はどのくらい発毛するのか?

円形脱毛症の冷却療法はどのくらい発毛するのか?

冷却療法されたことありますか?
円形脱毛症でドライアイスを脱毛部に押し当てて刺激するやつなんですけどね。私は、中学生くらいのときにやったことがあります。
いや~正直痛かった(笑)病院にいくのが怖かったです。
しかし、先生が途中でお亡くなりになりクリニックが閉院してしまったので短期間の治療で終了・・・。結果、効果が出るまで続けることができませんでした。

この冷却方法は、ステロイドやSADBEにくらべると副作用も少なく手軽に行えるため効果的であるとされています。(刺激はありますw)

今回は、この冷却方法を116例の患者さんに施行したときの発毛率の推移について書かれた論文をもとに、その治療効果について考察したいと思います。

冷却療法とは

まず、この冷却療法とは何かというと。
円形脱毛症は自己免疫疾患のひとつと考えられており、誤作動を起こした免疫細胞が自己の毛母細胞を攻撃することによって引き起こされると言われています。

液体窒素やドライアイスを脱毛部にあて刺激することで、誤作動を起こしている免疫細胞に働きかけ発毛を促すという療法です。

押しあてるときに、チクッというかピリッというか、痛みはあります。
ですが、比較的副作用は少なく、歴史もあることから現在も円形脱毛症の治療のひとつとして施行されています。

発毛率とその推移

今回参照にする論文の結論を先にお伝えすると。


この雪状炭酸圧抵法(冷却療法)を2年間で116例の患者さんに施行したところ
2年間での発毛率は”単発型100%,多 発型100%,全頭/汎発型63 .6%”という結果が得られたそうです。

116例の内訳は、単発型26例,多発型79例,全頭/汎発型11例でした。

 自然 経過群と比べ治療開始後より,短期間で発毛を認め,月毎の発毛率も高く,発毛する患者が多かった。本治療法は発毛を促進させると思われた。

と述べられています。
しかし、次のようにも書かれていました。

12~15カ月目から発毛率の増加があまり見られないため,このあたりが他の治療法に変換する時期と考えられる

ですが、最終的にはこの冷却療法は”副作用も少なく手軽に行なえ効果的”であるとのことです。

では、次にこの論文で行われた治療方法・判定方法・結果について細かくみていこうと思います。

対象患者と治療方法について

<対象患者116例について>
先ほど、116例の内訳をざっくり書きましたが、どのような患者さんを対象にしたのかまとめてみます。

単発型26例 平均年齢25.7歳(3~53歳)
多発型79例 平均年齢27.6歳(2~65歳)
全頭/汎発型11例 平均年齢23.4歳(3~56歳)

性別でみると
男性51例(44.0%)
女 性65例(56.0%)
とやや女性の方が多かったようです。

また、この116例には途中で脱落した症例は含めていないそうです。

2年間での発毛率は”単発型100%,多発型100%,全頭/汎発型63 .6%”

やはり、私もですが全頭/汎発型になると難治なことがわかります・・・。

<治療方法>
チョーク状に固めたものを毎回脱毛部同一個所に1秒あてる。
これを2週間に1回行ったとされています。

実際の冷却療法では、チョーク状以外に液体窒素を脱脂綿や綿棒で押し当てたり、スプレーしたりという方法がとられています。

わたしは、この論文と同じで固形のものを押しあてられました・・・。

判定方法

今回の論文で、「発毛」と判定した基準について。

脱毛部位に軟毛もしくは硬毛が認められたものを発毛ありとし,1ヵ月毎に判定した。
月毎の発毛患者数を対象患者数で除したものを発毛率として表 わした。

個人的にはちょっと弱くない?(笑)
と思うのですがどうでしょう(笑)?!


やはり、患者の立場からすると”軟毛もしくは硬毛が認められたもの”があったとしても、それで発毛した!といわれても、あんまり喜べないというか・・・。

無反応よりはそりゃいいですw

そもそも「発毛率」なんでね。「完治率」ではないです。はい。わかってます・・・。


ちなみに、

発毛に要する平均月数は
単発型 2.96ヵ月
多発型 3.858ヵ月
全頭/汎発型 4.14力月でした 。

まとめ

この論文での、発毛率推移と考察についてまとめると。

最終的には
単発型では15ヵ月で100%
多発型では21ヵ月で100%
全頭/汎発型では12ヵ月で63.6%
の患者が発毛を示した。

残念ながら「100%完治した」ではないです。
「発毛した」です。
そして、その「発毛」とは「軟毛もしくは硬毛が認められたもの」であり、たとえ1本でも発毛と位置づけている可能性があります。
AI
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また治療継続12ヵ月目では
単発型96.2%
多発型96.2%
全頭/汎発型63.6%
全例では92.2%の発毛率となっています。

発毛の判定がちょっと寂しいと感じますが、それでもこの治療法の施行例では全 ての病型で自然経過群を上回る発毛率を認めているのは事実ですね。

論文の考察でも
「最終的な発毛率は平均でも95.7%と自然経過の41.6%を上回っている」

と結論付けられています。

ここでいう、自然経過との比較は自然経過についての論文はなくアンケート調査を参考に述べているとのことです。

「発毛の判定が弱い」とか文句言いましたけど、たとえちょっとでも生えれば希望も湧いてくるわけで。一番悲しいのは、治療していても反応しないことではないかと思います。

受診のたびに、先生から「ん~なかなか生えてこないねぇ」といわれると、「なんかすみませんねぇ」と思っていました(笑)
「だいたいこのくらいから生えるんだけどねぇ」とか言われたときには、「出来が悪くてすみません(笑)」って感じでしたw

そのうちに、私の場合は「ど~せ生えないよ」みたいな気分になってしまったのですが。
いろんな皮膚科の先生方がこうやって論文を発表し研究し、どうにかこうにか患者さんを治そうとしているのをみると、ちゃんと治療に向き合わなかった自分がいかにダメな奴かと思います・・・。

今もし、この冷却療法をされている方・これからされる方がいらしたなら、この論文のポジティブな結果も片隅においたまま、前向きな気持ちで治療に向かって頂けたらと思います。

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