脱毛症でウィッグをつけている女に結婚はできるのか?

脱毛症でウィッグをつけている女に結婚はできるのか?

私には、現在二人の男の子がいます。年子兄弟で毎日慌ただしい日々です。

四人家族で、どこにでもある普通の家庭です。

他の家庭と違うのは、、、
お母さんに髪の毛がないこと。
お母さんがウィッグをかぶっていること。

そうです。私は、脱毛症です。
全頭型脱毛症で髪の毛が1本もありません。

そんな私が、今の旦那さんと結婚するまでのお話です。

同じような悩みを抱えて過ごしている方の、エールになればと思い記事にすることにしました。

出会い

私と旦那さんは、同じ職場で出会いました。
女子の多い職場で、男子は2~3人。
年齢層も20~30代で、みんな仲が良く楽しい職場でした。

私は、自分が脱毛症だということを隠して仕事をしていました。

とくに、言う必要もないかなと思って。
言われた方も、リアクション困るだろうしねぇ。

「それで?」って感じになると、
「いや、それだけ。言っておこうと思って」って、なんか変じゃないですか(笑)

そりゃ、なんとなく気づいているのかもしれないですが、
仕事に影響するわけでもないので
それをとやかく言う人もいなかったです。

彼と、仲良くなったのは同僚の結婚式のときです。

住んでいたマンションが近いので、会場まで一緒にいくことになりました。
それで、初めて連絡先を交換して、お互いの家の場所がだいたいわかりました。

彼は、5つ年下で人見知りっぽい静かな人だったので
それまで、職場以外で会うことも、仕事上の話以外したこともありませんでした。

食事にいくことになる

そんな、今まで随分距離のあった彼ですが、
結婚式のときに連絡先を交換してから
仕事の質問や連絡でたまにラインをするようになりました。

お互い、残業することになった日に
お腹も空いたし、どっか食べにいってから帰ろうかという流れになりました。

それから、ご飯の回数が少しずつ増えてきまいた。

お互い、一人暮らしをしていたので作るの面倒だし
1人で食べるのも味気ないし。
で、よく食べに行くようになりました。

ある日、「お腹空いた~」とラインが来たのですが
その日、私はもうご飯を作っていたので
「今日はもうご飯作ってるから外には食べにいかな~い」
と、返事しました。

すると、「じゃ食べに行ってもいい?」と聞かれました。
まぁ、ダメではなかったので「まぁいいよ?」と返事をし、
あっさり家にくることになりました。

とりあえず、ウィッグの台を隠して(笑)
部屋を慌てて整えました。

それからは、外食に行くか、うちでご飯を食べるか・・・

普通に、家でご飯を一緒に食べてテレビ見て
「じゃ、また明日~。お疲れ~」
というのが定着してしまい、
なんか変な感じでしたが、まぁ灯油も運んでくれるし無害だしいいかなと(笑)

ただ、周りから疑われたら、若いし、かわいそうだなと思って
職場では隠していました。

だんだんと、一緒にご飯を食べることに楽しいなと思い始めました。

でも、私は脱毛症でウィッグをつけてるし、
彼は年下で若いので、なんとなく申し訳ないし言えないなと感じていました。

このまま、ご飯友達として過ごしていけばいいか~。
向こうに彼女ができたら、そのままフェードアウトすればそれでいい。

まさか、この時この人と結婚するなんて、全く思ってもなかったです(笑)
よく言うじゃないですか?!
予感があった!とか。
全く皆無でした・・・。


脱毛症とウィッグを打ち明ける

私たちはお互い実家が別の県にあって、
転勤で同じ場所に来ていました。

なので、名物を食べに行ったり、
この辺りの観光名所について話をしているうちに
「日曜、○○行ってみる?」

って、ことになって。仕事以外の日にも会うようになっていきました。

ふと、こんなにも、ほぼ毎日一緒にいますけど?
これは、このままでいいのだろうか?
そのうち誰かに見られたらどうするんだろうか?

同僚の結婚式から約半年(笑)
ようやく、疑問をもつようになりました。

ですが、5つも年下の子に
「これはどういうことか?」と聞くのもなんか・・・


それに、もし付き合ってることになった場合
私の脱毛症はどうするんだ?!ウィッグの件もどうするんだ?!
っていう、楽しくて嬉しい反面、
ものすごくめんどくさいことになって来てしまったと思いました。

今更、急に拒絶もできないし・・・。
知らない間に、ちょっと好きになってる自分もいるし・・・。

どうしたもんか?!と悩んでいるうちに
世の中がGWに近づいてきたある日、

「GWどっかいく?どこいく?」と無邪気に聞かれ
「特に何も考えてないなぁ」というと
「じゃあ、旅行行く?」と言われ、
それは脱毛症なので困るなぁと思って
「日帰りならいいよ~」と答えました。

「じゃぁ、日帰りで3日間違うとこいこ?」
という提案に乗ることになりました。

最後の日のプランが
「船に乗って離島行く」と言われ、

困ったなぁと。
どうしようかなぁ。

遠出・高速船・潮風…。
どれも、ウィッグには厳しい条件(笑)

できれば、水族館とか映画とかそういうやつ希望なんですけど(笑)

と、悩んでいるうちにGWは差し迫り…。

日帰りでいろんなとこを観光し、名物を食べ
完璧な観光客カップルとして過ごしました。

その夜、事件は起こります。

「明日、迎えに来るの面倒だからここ泊まっていい?」

それは、絶対無理なお願いです…。
お風呂入りたいし、頭洗いたいし?
寝るときウィッグつけてたら絡まるし?

とりあえず、全力で否定×

まぁ、こうなると向こうは「なんでなん?」ってなりますよね・・・

The END 

はい、もうこれ以上はこの関係を続けていくのは無理だなと
こっちもどうしようって悩むのしんどいし、
隠すのも大変だし、
そろそろ、潮時だなと。

きちんと説明して、まぁ居づらくなれば転勤願い出して
過疎地・僻地にでも飛んでいくしかないかな~。

5つ年下の好青年を前に、腹をくくったわけです。

・私は脱毛症で、これはウィッグなのだと。
・なので、旅行に行ったり部屋に泊まられては困るのだ。
・あなたはまだ若いので、普通の女の子とちゃんと付き合った方がいいよ。
・これ以上、この関係を続けていくことは不可能なので
・GWを境に、また普通の同僚の関係に戻るとしよう。

てなことを、申し訳ないと謝罪しつつ説明しました(笑)

きっと、驚きと嫌悪感ですごい空気になってしまうんだろうなと
覚悟を決めていましたが、現実はとてもシンプルな回答でした。

・断る!
・別にそれが(脱毛症が)どうした?
・何が問題なのか?
・付き合えない理由をきちんと説明できるのか?

と…。

「何かの病気で治療してるの?死んだりするの?」と聞かれたので
「病院には通ってないし、元気は元気です」と答えました。

そして、彼は

「気にする気持ちは分かる。
つらいだろうと思う。
でも病気じゃなくて、安心した。
打ち明けてくれてありがとう。
今日、急に泊めろと言ってごめんなさい。
僕を受け入れられるようになるまで待つ。
嫌なことは絶対にしない。
AIさんのペースで構わないので、このまま付き合ってほしい」

そのような内容のことを言って、
なぜか彼が泣いていました…。

受け入れてもらえるかどうか悩んでいた私に、
「僕を受け入れられるようになるまで待つ」と言ってくれた。

若くてもちゃんと理解しようとしてくれてるんだなと。
”若いからダメだ言えない”なんて思って、
彼を過少評価していたことを反省し
つられて一緒に泣くという(笑)


嬉しくて、切ない不思議なGWの夜になりました。

その夜、彼は自分の軽率な行動を恥じたのか
「申し訳ない」と謝罪し、
「明日お迎えに来ます」といって帰っていきました。

次の日も、いつもと変わらず一緒にいてくれる彼をみて
男の人の純粋さと真っ直ぐな気持ちを感じました。

やはり、打ち明けてからの方が出かけるときも気楽ですし、
知った上で一緒にいてくれる安心感。

そして、私の気持ちが落ち着くように、
私のペースに合わせてもらえることの有難さ・・・。

だって、いきなり「じゃウィッグとってみて?」とか
言われたら、嫌じゃないですか(笑)

私がこの人の前でウィッグとってもいいかなって思えるまで
だいぶかかりましたけど(笑)
とりあえず、何もいわずにいてくれました。

結婚

そのまま、しばらく彼と付き合い
お互いの家を行き来するような生活が続きました。

ある日、彼に異動がでます。

同じ県ですが、車で1時間くらいのところです。

ついていくのも、なんか邪魔になるの嫌だしなぁと考えていた頃、

「今度実家帰るとき、一緒に来てくれる?」といわれました。

「いやぁ、年上やし抵抗あるなぁ。
それに脱毛症は嫌がられるんちゃうかな?」と正直に言いました。

「まだそんなこと言ってるん?
脱毛症のことを、わざわざ言う必要ないし。
それに、嫌なら言わなくていいよ。
でももし、言ったとしても大丈夫やと思うよ」と。

まぁ、それならとりあえず挨拶にいくだけやし
脱毛症のことはいわなくていいか~と思い、
軽い気持ちで予定をいれることにしました。

その予定の直前・・・

まさかの妊娠発覚!


一気に、気楽な挨拶の予定が一変…。

これには、彼も相当驚いたみたいで。
緊急会議を開きました。


産もうかなと思っていたので話し合う点は

・結婚するかどうか
・そして、どこに住むか
(お互いの実家が西と東で600kmくらい離れています(笑))

正直、未婚でもいいかなと。
ここでも、脱毛症がネックになりました。

子供に髪の毛がなかった場合、
彼にも辛い思いをさせるかもしれない。
彼のご両親にも・・・。

だったら、私の実家で母子家庭でもいいかなと。
彼の実家に入るのにも、脱毛症を打ち明けないといけないし・・・。

そもそも、年上とデキ婚とか大丈夫か、それ・・・。
転勤どうするん?!
やっぱり、別居か?!

もう、一気にいろいろ考えないといけないことが増えてしまい
完全にショートしてしまいました。

そして、つわりに突入でもう悲惨・・・。

しかも、彼の実家にはネコが・・・。
(私、重度のネコアレルギーなのです)

結局、彼のご両親もとてもやさしい方で
彼からだいたいの話しを聞いても
怒ることなく、喜んでくれていると聞きました。

とりあえず、わたしのつわりが落ち着いたら
私の親もつれて一度ご挨拶にいくということになりました。

そんな、状況のなか、
追い打をかけるようにある問題が浮上します。

すい臓がんが発覚


わたしに会うのを楽しみにしてくれていると聞いていた
お義母さんがすい臓がんと診断されたと連絡が入りました。

すぐに、抗がん剤の治療に入り小さくなったところでオペの予定だと。

・結婚どうする?
・住むとこどうする?
・脱毛症のことどうする?

とか、そんなくだらないことを悩んでいるような状況ではなくなり、
つわりが落ち着いてきたころに、両家の顔合わせをし
結婚式することもなく、あっさりと入籍を済ませました。

お見舞いに行くのが遠くなるにもかかわらず
わたしが生活しやすいようにと、
彼は私の実家の近くに住むと言ってくれました。

お義母さんの、闘病生活中に長男が誕生し
何度か顔をみてもらいにつれて帰りました。

そのたびに、とても喜んでくれました。

抗がん剤をしばらくの期間続けてきたので、
今度オペをすることになったと連絡をうけ
主人はしばらく実家に帰ることになりました。

オペ日に主人から届いたメールは、
開腹したけど、腹膜播種を起こしていて
そのまま閉じたという内容のものでした。

あまりの、衝撃に返事をすることもできませんでした。

つわりのせいもありましたが、
妊娠発覚からのドタバタの2年弱が
急展開すぎてうまく自分の中で消化できていませんでした。

その後も、お義母さんは闘病を続けましたが
約3年の闘病生活の末、息を引き取りました。

わたしは、生まれたばかりの次男をかかえ
600km離れた実家でそれを聞き、
最後の最後まで役に立たない嫁だなぁと悔しい思いをしました。

主人をこんなにも立派に育ててくれた人なのに、
急展開にのまれるだけで
ろくに感謝もできず、後悔だけが残りました。

こんなことなら、くだらない脱毛症のことなんて気にせず
両家で旅行にいったり、もっと楽しい時間を過ごしたかった。

私の気にしていたことは、こんなにも小さいことだったのか…。

情けない気持ちになりました。

結婚して、6年

結婚して6年。
やんちゃな男の子に振り回されてヘトヘトですが、
たくさん食べ、たくさん寝て
みんな健康に生活しています。

二人とも、今のところ髪の毛もあります。

これから先、どうなるかわかりませんが
もし、彼らが私と同じように脱毛症になってしまっても
今の私なら、彼らを支えていく自信があります。

みんなが、健康で過ごせるなら
それ以外贅沢いっちゃだめだなって
自分が親になったら気づくもんなんですね。

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