ステロイドの種類と強さ比較【まとめ】

ステロイドの種類と強さ比較【まとめ】

このページでは、一般的に皮膚科でよく用いられる「ステロイド外用剤」について種類や強さ等まとめてあります。

脱毛症でのステロイド外用剤の有用性はガイドラインにより推奨度Bとされており、アンテベートやデルモベートが処方されることがあります。頭皮に塗るのでローションタイプのものがメインで処方されます。

その他、アトピー性皮膚炎等でもよく処方されますので、このページについては脱毛症にしぼった内容ではなく脱毛症治療以外で使う塗り薬もご紹介しています。

また、最近では処方箋にジェネリック医薬品や一般名(成分名)で記載されることが増えてきました。

自分が使用している後発品がどの先発品に対応しているのか薬局で説明されても忘れちゃいますよね。(カタカナばっかりなのでw)
なので、ちょっと長くて見にくいのですが ( )内に一般名を併記していますので参考にしていただけたらと思います。

なお、一般名の有機酸の部分(プロピオン酸とか○○酸エステルみたいになってるやつ)は余計難しくなると思うので一部記載せず割愛しています。
厳密には有機酸の部分で強さが変わったりしますが一般の方にはそこまで必要ないかと思います。(このサイトは医療関係者向けではなく患者さんを応援するサイトですので)

ステロイド剤の強さ比較一覧

外用ステロイド剤は、効力によりⅠ(強)からⅤ(弱)の5段階にクラス分けされています。まずは、こちらに比較表をまとめてみました。

クラス分類薬剤例 【一般名(成分名)】
Ⅰ群(強)strongestデルモベート【クロベタゾール】
ジフラール【ジフロラゾン】他
Ⅱ群very strongフルメタ【モメタゾン】
トプシム【フルオシノニド】
マイザー【 ジフルプレドナート】
ネリゾナ/テクスメテン【ジフルコルトロン】
アンテベート【ベタメタゾン酪酸プロピオン酸】
リンデロンDP【ベタメタゾンジプロピオン酸】他
Ⅲ群strongリンデロンV/ベトネベート【ベタメタゾン吉草酸】
メサデルム【デキサメタゾンプロピオン酸】
ボアラ【デキサメタゾン吉草酸】
エクラー【デプロドン】
フルコート【フルオシノロン】他
Ⅳ群medium
(mild)
リドメックス【プレドニゾロン吉草酸】
キンダベート【クロベタゾン】
アルメタ【アルクロメタゾン】
レダコート/ケナコルト【トリアムシノロン】
ロコイド【ヒドロコルチゾン酪酸】
オイラゾン【デキサメタゾン】他
Ⅴ群(弱)weekプレドニン【プレドニゾロン】
ドレニゾン【フルドロキシコルチド】
オイラックスH【ヒドロコルチゾン】他

剤形については記載していません。
販売しているメーカーによって、軟膏・クリーム・ローション・スプレー・テープ等様々です。

ステロイド剤の中には配合剤のもの(複数の薬が混ざっているもの)もあります。

たとえば、”リンデロンVG”。

これは、ステロイド剤としては”リンデロンV”と同じになります。
Gは抗生剤(ゲンタマイシン)を指します。
”リンデロンV+G”って感じですかねw
ステロイド+抗生剤の塗り薬です。

日本では、このように5段階で分類されていますが外国では分類の仕方がことなります。(米国は7段階、ヨーロッパは4段階)

また、時代によっても微妙に分類が違っていたりします。引っ張ってくる文献によって線引きがことなるので、ネットで検索するとまとめている人によって違うことがありますw

ちなみに、私のまとめているものは「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」を参考にしています。(72ページもあるので読まないかなと思ってリンクつけるのやめましたw)

あとは、同じ名前なのに修飾されてる有機酸で効力が違います。デキサメタゾンやベタメタゾンがいくつもありますね。

この辺が一般名処方箋になると患者さんには難しいと思うので薬剤師に教えてもらってくださいね。

剤形(基材)による長所と短所

一覧表

「原田敬之:皮膚外用剤2002南山堂」を参照しています。
(ちょっと古いものですが、剤形に関しては昔も今もさほど影響ないかと思います)

長所短所
軟膏乾燥性の病巣、湿潤性の病巣のいずれにも使え、びらん・潰瘍などどのような状態の皮疹にも使用できる。べたついて、使用感が悪いことがある。
クリーム ステロイドの経皮吸収が軟膏よりもよく、洗い落とし易い。発赤腫脹・紅斑・丘疹に最良。びらんなどの湿潤性の病変に使用した場合、しみて痛いことがある。
液剤
ローション              
べたつかないため、有髪部の皮疹に使われることが多い。湿潤病変にぬると、しみて痛いことが多い。また、伸びが悪いため使用量がおおくなる傾向がある。
有髪部に使用する場合は、毛髪をかき分け直接塗るよう使用方法に注意が必要。
スプレー日光皮膚炎(日焼け)などで、軟膏・クリームが痛くて塗れないようなときには便利。広い範囲にも簡単に塗布できる。湿潤病変に使用すると刺激を生じることがある。基材による皮膚保護作用がない。
テープ密封療法(ODT)の簡便法として開発され配合剤の皮膚への浸透性が高い。湿潤病変には不適。
密封による毛のう炎や悪臭を生じやすく、粘着剤による刺激や接触皮膚炎を起こしうる。

ユニバーサルクリームって何

ちょっと面白い名前じゃないですか?ネリゾナなんですけどね。
この薬にはなんと4つも剤形があります。
軟膏・クリーム・ソリューション・ユニバーサルクリームの4種類なんですけど。

ネリゾナ自体は珍しくもなくよく見かける薬なんですけど、「ユニバーサルクリームって何なん?」ってのをたまに聞かれます。
そりゃ、名前からは想像できませんよね。

結論:軟膏とクリームの中間みたいなもんです

ザックリですみません。
水分量が違うんです。クリームの水分量を約70%としたらユニバーサルクリームの水分量は30%くらいで比べると少なめです。
クリームよりは軟膏に近く、使用感はちょっとべたつきが残る感じです。
W/OとかO/Wとか色々細かいこと知りたい人は、ほかのサイトでみてください(笑)

ちなみに、ネリゾナソリューションっていうカッコイイ(?)名前の液剤はエタノールを含有してます。

伸びがよく、清涼感があり、有髪部分や広い範囲に使用する場合には使いやすいです。短所は軟膏やクリームに比べて皮膚が乾燥しやすく、またエタノール含有のため掻き痕などがあると刺激を感じることがあります。

重症度に応じた選択と使用量について

重要度に応じた選択

一応、ガイドラインではこのようになっています。

皮疹の重症度外用薬の選択
重症高度の腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑,丘 疹の多発,高度の鱗屑,痂皮の付着,小水疱,びら ん,多数の搔破痕,痒疹結節などを主体とする必要かつ十分な効果を有するベリーストロング(Ⅱ群)ないしスト ロングクラス(Ⅲ群)のステロイド外用薬を第一選択とする.
痒疹結節でベリーストロングクラス(Ⅱ群)でも十分な効果が得られな い場合は,その部位に限定してストロンゲストクラス(Ⅰ群)を選 択して使用することもある
中等度中等度までの紅斑,鱗屑,少数の丘疹,搔破痕など を主体とするストロング(Ⅲ群)ないしミディアムクラス(Ⅳ群)のステロイド 外用薬を第一選択とする
軽症乾燥および軽度の紅斑,鱗屑などを主体とする ミディアムクラス(Ⅳ群)以下のステロイド外用薬を第一選択とす る
軽微炎症症状に乏しく乾燥症状主体 ステロイドを含まない外用薬を選択する

またステロイドは使用部位によって吸収率が異なります。
たとえば、上腕内側を”1”とした場合、頬部の吸収率は”13”とされています。
ちなみに、頭部は”3.5”です。

顔面への使用はなるべく避け、もし使用する場合は顔面の高い吸収率を考慮して、原則としてミディアムクラス以下の薬剤を使用する。

とか習いましたけど、実務上はそんなこといってられません。
私が顔面にアトピー症状でているときも、赤くなって痒くて痒くてつらいときに「じゃ、ロコイドだしとくね」ってことはあまりなかったです。アンテベートが出ることはさすがになかったですけど、リンデロンVは使っていました。

今の治療の流れだと、強いものも処方されます。そして、1日2回塗っていたものが1日1回になり徐々に塗る頻度が減って、それでも症状が落ち着いていたら強さのランクを落としていくイメージです。

自己中断せず、処方医の治療方針に従って指示通り使用しましょう。

適切な使用量は?

必要十分な量を外用する事が重要である.皮膚が しっとりする程度の外用が必要であり,一つの目安と して,第2指の先端から第1関節部まで口径5 mmの チューブから押し出された量(約0.5 g)が英国成人の 手掌で2枚分すなわち成人の体表面積のおよそ2%に 対する適量であることが示されている(finger tip unit) 91)92).しかし,使用量は皮膚の状態,外用 薬の基剤の種類などによっても変わりうる

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018

ステロイド外用薬や保湿剤では目安としてFTU(フィンガーチップユニット)を使います。

人差し指の一番先から第1関節に乗る量=1FTU=約0.5g
=手のひら2枚分くらいの面積

ちなみに、ローションの場合は1円玉大=1FTUです。

FTUを目安に、自己判断で増減せずに常に医師に指示された量を塗るようにしてください。

外用ステロイドの使用上注意点

適正な強さのものを使う

ステロイド剤の効果と局所性の副作用には相関性があるとされています。なので、必要以上に強いステロイドを選択することなく、皮疹の重症度に見合った薬剤を適正に選択する必要があります。

突然中止しない

長期使用後に突然中止すると皮疹が急に増悪することがあります。これをリバウンド現象といいますが、きちんと医師の指示に従い適切に使用されていればステロイドは非常に有効であると考えられています。実際、減薬していくときは医師の指示のもとに少しずつ、塗る頻度を減らしたり、強さの弱い薬に切り替えたりしていきます。(これについては、またアトピー性皮膚炎のときに掘り下げてみようと思っています。)

感染が疑われる場合

細菌・真菌・ウイルスの感染が疑われる方は自己判断で使用せず、必ず医師(皮膚科がいいですw)にみてもらってください。
使えるものと使えないものがあります。感染症であれば、抗菌剤・抗真菌剤等の適応となるかもしれませんので、まずは感染症かどうか診察してもらいましょう。

生活上の注意

・化粧下、ひげそり後等に使用するステロイド皮膚炎の副作用を起こす場合があります。

・ローション剤の種類によっては懸濁性のものがあります。薬局で”よく振ってから使用してください”と言われた場合はその通りにしてください。

・おむつに当たる部分に使用する場合、ぴったりしたオムツやビニール製パンツを使用すると密封法と同様の作用があり、過剰に吸収される場合があります。
(エキザルベとかは大丈夫です)

密封療法(ODT療法)とは
皮膚の慢性炎症に続発した角層が厚い炎症病変に対して、ステロイド外用剤を塗布した後、ラップ等で患部を覆い周囲を密封する療法。基材中の水分や乳化剤により皮脂膜を除去、角質を水和することにより吸収を高め効率的かつ速効性が期待できるとされている。

その他(本剤過敏症等)

・使用する薬剤に過敏症の既往歴のある方は使用できません。ステロイド剤で今までに過敏症がでたことのある方は受診の際に必ず医師に伝えましょう。

・副作用として「刺激感・発疹・かゆみ等」の皮膚の異常が現れた場合は使用を中止し医師または薬剤師に相談しましょう。

ステロイドを不必要に怖がって使いたがらない人もいると思いますが、信頼できる医師のもとで適切に使用すれば効果の高い良い薬だと思います。安易に強いものを自己判断で乱用するのはよくないと思いますけど・・・。

成分名についてはドラックストア等で外箱の成分表を見るときにも参考にできるかなと思いますが、店頭の薬剤師や登録販売者に聞く方が楽チンですw

以上、ステロイド外用剤まとめでした。

アトピーカテゴリの最新記事